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備忘録 2008年マイベスト20

 せ っかく去年から始めたことだし、2008年のマイCDベストテンの第一位「矢野顕子/akiko」以下を備忘のために書いておこう! とは言え、あくまで当コラムに書いたものに限ってのマイベスト20・・・・・

 結 局、日記に書かなかったアルバムも多かった2008年は、以下に記すように若手の活躍が目立った一年だったけど、実は超ベテランらが怒濤のように傑作アルバムを発表した百年の一度の狂い咲きの年でもあった。

 ライ・クーダー、ジム・ピュルテ、ドニー・フリッツ、ボビー・チャールズ、ジョン・ハイアット、ドクター・ジョン、ダン・ペン、スティーブ・クロッパー&フェリックス・キャバリエ、エイモス・ギャレット、 ジャクソン・ブラウン. ランディ・ニューマン、 デイブ・メイソン、CSNY(LIVE)・・・まだまだあったように思うけど。

 第 二位 パティ・グリフィン 「Children Running Through」

 本来は2007年の作品だが、感想日記は2008年に書いたので、今年の選に入れた。これまでの作品を楽々と凌駕する彼女の最高傑作。オースティンの大親分「ガーフ・モリックス」一家の筆頭客分である英国人イアン・マクラガンのグランドピアノがすごくカッコいい!「HEAVENLY DAY」の大サビで感情の針を振り切る彼女の歌心はもはやCDには収まりきれない。
http://www.net-sprout.com/iitaihoudai/104patti.html

 第 三位 テディ・トンプソン 「A PIECE OF WHAT YOU NEED」

 かの地では2世ミュージシャンの活躍が華々しい。親父世代を軽々と超えていく、その膂力に驚く。ルーファス・ウェインライト、イナラ・ジョージなどより知名度は下だが、リチャード&リンダ・トンプソンのジュニアの新作は、プロデューサーに「マリウス・デ・ヴライス」(ビョークのP)を招き、音に適度な空気感と湿り気が与えられているので「ミストシャワー」を浴びているようで、誠に気持ちが良い。

 第 四位 CROOKED STILL 「Still Crooked」
 第五位 BEN SOLLEE 「LERNING TO BEND」
 第六位 Abigail Washburn & the Sparrow Quartet 「Abigail Washburn」

 この3作は、いずれもベラ・フレック周辺の若きブルーグラスロックグループ・・ベラは若い才能を見抜き、育てるということでも天才性を発揮している。若手への音楽伝承が絶えていないどころかますます進化し、発展し、展開し続けるアメリカーナミュージックにつくづく驚いた。(チラリ、ジェラシー!)

 第 七位 エミルー・ハリス 「 ALL I INTENDED TO BE」
 第八位 イライザ・ギルキーソン 「 BEAUTIFUL WORLD」

 お二人とも、50才をとうに超え、はや60代にさしかかろうというのに相変わらず、というより逆に、お声も、感性もドンドン瑞々しくなるのは何故(ナニユエ)?お顔やお身体はプチ整形も可能だろうが、感性や喉のプチ整形はないと思うのだが、いやはや呆れるばかりの充実ぶり。さらにエミルーのアルバムで聴かれる「ケイト & アン マッギャリグル」姉妹のお声は20代のそれより遥かに若々しく色っぽい、真の化け物ですね(誉めてます!だってお写真も可愛いもの!)

 第 九位 ダレル・スコット 「MODERN HYMNS」

   一度は、レコーディングを完成したのに、「こんなの売れねぇよ!」とレコード会社の都合でボツにされた楽曲を再度レコーディングした執念の一枚! ラスト曲である、彼の最大のヒーロー「ガイ・クラーク」の「THAT OLD TIME FEELING」はしみじみ泣ける名曲。

 第 十位 キャリー・ロドリゲス 「SHE AINT’S ME」

 ルシンダ・ウィリアムス、メアリー・ゴウシェのやさぐれシスターズ(もちろん僕の命名です)に突然、年の離れた末妹が誕生したかのよう・・・それを祝うかのようにルシンダが一曲デュエット、メアリーは一曲提供している。ダフィーより好きだった。

 第 十一位 チャック・マカベ 「SWEET REUNION」

 まるでバンジョーを弾くマーク・ノップラー!その名字「マカベ」『McCabe』から推察するににスコットランドの出身であろう。そんなところからもスコットランドと縁が深いマークとの繋がりを勝手に連想してしてニンマリ!・・・だからタイトル「SWEET REUNION」なんだね!うぃっ!特に大好きなアイルランド民謡「ミンストレルボーイ」(僕はこの曲でゴハン10杯は軽い)がテーマなのでそれだけでナ・ミ・ダ!

 第 十二位 ジョン・メイレンキャンプ LIFE DEATH LOVE AND FREEDOM」

 これまたTボーン・バーネットのプロデュース作品。「ロバート・プラント、アリソン・クラウス レイジング・サンド」と矢野顕子「akiko」の間の期間で制作された一枚。いって見ればこれらはTボーン三部作とも言える。どれもこれも実に素晴らしい。確かこのアルバムもグラミーノミネートの筈。であれば「akiko]」は。やはり幻の裏グラミーである。

 第 十三位 マーク・コーン 「JOIN THE PARADE」

 アルバムタイトルにある「PARADE」はニューオリンズの風物詩である葬送のパレードのこと。それにジョインせよ!とは???強盗の凶弾を頭に受けながら奇跡的に一命をとり止めたマークならではの霊感に満ちた敬虔な歌が聴こえてくる。

 第 十四位 サム・フィリップス 「DON’T DO ANYTHING」

 こちらは、Tボーン・バーネットの奥方(だった方)のセルフプロデュース作品。タイトルは「何もしないで!」とTBBへの当てつけのようだが、事情を知らなければ、TBBの作品と間違えそうなほど彼の影響は彼女にしみ込んでいる。ジェイ・ベルローズの皮鳴りの良いドラムがそう思わせるのだろう。

 第 十五位 マリア・マルダー 「YES,WE CAN」

 タイトルからわかる通り、この8年間さんざんな目に遭わされたアメリカのお母さんたちのブッシュへの抗議とオバマへの期待が込められた一枚。

 第 十六位 ライ・クーダー 「MY BLUEBERRY NIGHTS」

 いわずもがなの名サウンドトラック。「キャット・パワー」の歌は「ノラ・ジョーンズ」のそれより1000倍の真実を伝えている。この年になってなお、自ら巨大な進化を遂げつつあるライおじさんのサントラ仕事は、あいかわらず素晴らしい。

 第 十七位 ジョリー・ホランド 「LIVING AND DEAD」

 ジョリーのトリッキーな音楽世界に、マーク・リーボウのギターが加わったら鬼金、と思っていたら、なんと実現していた。

 第 十八位 ルシンダ・ウィリアムス 「LITTLE HONEY」

 前作「WEST」がハル・ウィナープロデュースということでアウェイだったのだろう、頑張りすぎた反動で今回はぐっとリラックスした勝手知ったるルシンダ・バンドによる作品。多作なのにまったくクオリティが落ちないのは最近のライアン・アダムスのようである。

 第 十九位 クリスタ・デイター 「COVER THEIR EYES」

 新宿タワーでジャケ買いした一枚。このジャケットを見て手にとらない人がいればお顔を見てみたい!いや見たくない!内容もジャケそのものの世界。キャリー・ニューカマーをさらに1000メートルほど深海に沈めたような歌声に、人間によって傷めつけられた生き物たちの悲痛な叫び声が聞こえてくる。(写真右)

 第 二十位 G・A・P(Great Artistic Planet)「RE☆BORN」

 去年のライブNO1にした、OHJIの絶唱(になっていたかも知れなかった)歌「どこ行く」を収録したアルバム。他の楽曲も素晴らしかったよ!ありがとう!


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