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スライス・オブ・ライブ〜2008ライブベスト5

 第一位  「R・O・M・A」復活ライブ
                   6月 @ 西荻窪「テラ」

 もうあれから1年たつんだなぁ..「R・O・M・A」のベース&ボーカルの安部王子が下咽頭癌であり、ステージ4であることを告げられてから。

 声帯をとり、場合によってはもうベースが弾けなくなるかも、という彼にとっての事実上の「死刑宣告」に衝撃を受けた後、突然まわりの全員共々放り込まれた「いきなり野戦病院」状態の顛末については、本人もブログに書き、僕も書いた。
 http://www.net-sprout.com/iitaihoudai/116comeback.html

 だ が、彼は不死身であった。その復活記念ライブは退院してからわずか一月余りで行われたので、小腸を移植したばかりの彼の声はボコボコ言うばかりで、よく聴き取れない。だけど、僕らはそこに地獄から帰還した王子の喜びの雄叫びを確かに聴いたし、ローマのメンバーの心からの喜びを聴く事ができた。

 特に安部が渾身の力を振り絞り歌いきった「何処行く」を聴いたとき、ついに涙がとまらなくなった。

 第二位  「さとがえるコンサート2008/矢野顕子」
                   12月 @渋谷NHKホール

 昨年のマイCDベストテンの第一位「akiko/矢野顕子」のレコーディングメンバー(ドラムのジェイ・ベルローズ、ギターのマーク・リーボウ)にジェニファー・コンドスのベース付きという、僕にすれば夢のようなコンサート。まさか日本にいながらにしてこんな贅沢なライブを見る事ができようとは!

 思 うに彼らは恐竜である。

 アキコレックスのピアノの咆哮と空中を切り裂く声、ジェニファコトプスの大地を揺るがすベース、そして史上最大の太鼓竜「ジェベルロドン」の地鳴りのような足音に、最後はマクリボザウルスの狂気の雄叫びが「ギタ〜〜〜」(by山本高広)

 日本ではほぼ絶滅しつつあり、北米大陸ではまだ絶滅を免れている恐竜勢揃いのジオラマを見た。

 第三位  ファンキスト/FUNKIST
                   4月 @渋谷アックス

 昨年、ある友人を通じて知り合った7人編成のその名の通りのファンキーなグルーブ満載の素晴らしいライブバンド!リーダーの西郷君に思いがけずご招待を受けて見て感動!全く今っぽくないところが、誠に将来有望である。今年メジャーデビューだそうだが、な〜に、もしたとえCDが売れなくても気にするな!CDなど、音楽を伝える手段の一つでしかないよ。funkistには魔法のようなライブがある!
 http://funkist.info/index.php

 第四位  マリア・マルダー
                   2月  @横浜サムズアップ

 日頃よく、「肥沃な大地」という言葉を耳にするけど、「肥」も「沃」も、どちらも「ほどよく肉がついていて滋味あふれる」という意味である。マリア様は身体もそうだったけど、その声や音楽がよく「肥え」ていた(太っていたんじゃないよ!)

 35年前の奇跡的にキュートなあの声ではもちろんない。また、よく「年齢を感じさせない声」なんて言うけど、その歌声は十分に年齢を感じさせてくれた。でもそのまるで神の恩寵を伝えるかのように、音楽を通して上手に人生を積み重ねた歌声がとても良かったのだ。

 65才のマリア様は「肥沃な音楽世界」を我々「こころ貧しき者たち」に、正しく届けてくれたのである。
       From〜その日のライブ日記より

 第五位  安藤裕子 「アコースティックライブ」
                   @めぐろパーシモンホール

 ま、所属アーティストのライブなのでお仕事でもあるんですが、バンドを従えた時の彼女も最近は堂々として風格すら出てきたけど、このアコースティックライブでは、仕事抜き、理屈抜きで心を掴まれた。はるか昔、サントリーホールでの大貫妙子の「ピュア・アコーステイックコンサート」のことを想いだした。最初は本人もスタッフも「うまくいくのだろうか?成功するんだろうか?」と不安満載で始まったコンサートだったけど終ってみたら大成功!泣いたなぁ!アーティストの成長をともに感じられるのはスタッフ冥利につきることである。


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