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15. デモテープの作り方:その2


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 今回も前回に引き続き、「デモテープの作り方」について考えてみます。第二回目は

    1. カラオケを使用する場合
    2. ユニットなどで宅録する場合
    3. バンド演奏を録音する場合

の二番目「ユニットなどで宅録する場合」に移ります。

 まずはユニットのパートナーを探す必要があります。音楽の方向性が一致していて、楽器が演奏できることに加えて、簡単に音源のコピーを作る ことができた方が何かと便利ですから、PCを中心にした自宅録音設備を持っている人がベストです。そういう形で音楽制作活動をしている人はあま りレンタル・スタジオなどを使わないでしょうから、ネットで、例えばSNSのコミュニティなどで募集すると良いでしょう。
 もちろん、そういった宅録機材を自分で揃えても良いのですが、デモテープの作り方がわからないというような人ですと、勉強しなければならな いことが山ほどあり、実際にデモテープ作成にとりかかれるようになるまでにかなり長い時間がかかってしまうでしょう。

 パートナーが見つかったら、せっかくですからオリジナルを作曲しましょう。歌唱力をアピールするにはカバーでも良いのですが、レコード会社 や音楽系プロダクションで制作を担当するディレクターの人は同じ人なら作曲力の高い方が良いと考えるのが一般的ですから。また、アーティスト 本人としても作曲ができて、印税収入が派生する場合と、そうでない場合では、活動資金に大きな差が出てきます。
 作曲するのはちょっとむずかしいように感じるかもしれませんが、最初はパートナーの作業時にアイディアを出す程度でも良いでしょう。少しず ついろんな音楽を聴いていき、勉強してください。

 オリジナルを作曲したら、凝ったオケを作り始める前に一度リハーサルスタジオなどに入って、大きな声で歌ってみてください。だいたいのキー は歌わなくても予想できるでしょうが、実際に歌ったものを録音して聞いてみると、意外に自分で思っていたのとは違うキーで歌った方が魅力的だ ったりしますから、いろいろ試してみるようにしましょう。
 理想的なのはパートナーに伴奏してもらうか、シークェンサーをスタジオに持ち込むなどして、いろんなキーで歌ってみることですが、MTRやMD に仮のオケをいくつかのキーで録音しておき、歌を録音する方法でも良いでしょう。

 キーが決定したら、本格的にオケを録音していきましょう。この段階で特別注意することはありませんが、歌入れの効率を考慮して、ガイド用のトラックを録音しておくとベンリです。バラードなどで、オケがシンプルでリズムがとりにくい場合は4分音符のクリックを、コードが複雑でピッチがとりにくいオケの場合は、ガイドメロディやガイドコードを録音しておく、といった具合です。

 歌入れはキー合わせの時と同じようにリハーサルスタジオなどで行ってください。クリックやガイドメロディ、ガイドコードが録音してある場合にはそれらをオケにミックスし、音程がとりやすい状態でモニターできるようにバランスを作ってから歌うようにすると良いでしょう。
 またこの時にアコースティック・ギターなどの生楽器やコーラスなども録音しておきます。

 歌入れが終わり、足りない楽器を録音し終わったら、ミックスダウンし、マスタリングという、各曲のレベルを調整したり、曲間を決めたりする 作業もしてしまいましょう。デモテープを送る必要が出てくるたびにバランスをとったり、エコーを考えたりしていては時間がもったいないですか ら、一度デモテープのマスター・バージョンを作っておくわけです。このときレベルが低すぎて迫力がなかったり、高きすぎて歪んでしまったりし ないように気をつけてください。

 マスターが完成したら、MDやCDにそのコピーを作り、これをデモテープとして送付します。コピーしたMDやCDの音に問題ないかどうか聞いてチェ ックする点、破損しないように注意して送付する点は前回の「録音が終わったら...」以降と同じです。せっかくの苦労が水の泡にならないよう、細 心の注意を払ってください。

 以上がユニットなどで宅録してデモテープを作る上での注意点です。次回は「バンド演奏を録音する場合」について考えてみます。

OHJI

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