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11. 転調以外で、キーから外れたメロディライン


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 ほぼ半年ぶりのお悩みです。相談してくれたももんがさんのお悩みとはどんなことでしょうか?さっそく聞いてみましょう。



 普段様々な曲をコピーしているのですが、いつも同じような所でつまづいてしま います。
 それは「転調以外で、キーから外れたメロディライン」についてです。
 たとえば今日は、カジヒデキのMUSCAT.EP収録の「ささやかだけれど、役にたつこと」をコピーしたのですが、0:50あたりからのサビで、キーがGの時に、C#やFやD#の音を持つメロディが登場し、これらの音の意味が僕にはどうしても理解できないのですが、その響きからとても効果的な働きをしているように思えます。
 もし法則などがあれば、ぜひ教えていただけないでしょうか。お願いします!



 今一般に音楽理論と呼ばれているものは、ヨーロッパで造り上げられたもので、世界のあらゆる地方にある民謡のメロディを集積したものではありません。そのためミュージシャンが「この曲は小さいころ故郷で聴いた民謡のエッセンスを活かしたものにしよう」と考えたり、旅先で聴いた音楽を取り入れた作品を創ろうとすると、メロディがごく普通な「ドレミファソラシド」の中に収まりきらない場合が多くあります。
 質問者が指摘されているC#(増4度)、D#(増5度)、F(短7度)はその代表的なもので、これ以外にはマイナーキーやブルーノートから一時的に持って来たBb(短3度)やAb(短2度)が使われる場合もあります。

 しかし、この5つの音を「ドレミファソラシド」に加えると、ヨーロッパの音楽理論で学習する12の音程すべてが含まれることになり、自由にいろいろな音を使うことができるといえば聞こえは良いですが、メロディの雰囲気を統一するのが大変難しくなります。
 そんな時は、その音群の中から自分が必要としている音を取り出したスケールを組み合わせてメロディを作ると雰囲気が散漫にならずにすみます。以下にいくつかの例を挙げてみますから、楽器で弾くなどしてそれぞれの雰囲気を確認してみてください。表示しているのはキーCでの例となります。

Lydian 7th スケール
ハーモニック・マイナーP5ビロウ スケール
コンビネーション・オブ・ディミニッシュ スケール
ホールトーン スケール

 ここには紹介していないスケールもいくつもあります。また、使用するスケールによって、コードの構成音もかなり変わってくるので、気をつけましょう。

 スケールについて分からないことがありましたら、またメールしてください。

OHJI

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