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04. 音楽?就職?それが問題だ!


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 今回は20歳の大学3年生、ichiさんのお悩みです。まずはお悩みを聞いてみましょう。

 今現在、インディーズレーベルを立ち上げるライブハウスの社長から、ドラムのサポートの仕事と、あるインディーズレーベルのミュージシャンのサポート、立ち上げたばかりの自分のバンドを3つという具合で、計6つのバンドをやっています。が、まだ仕事の方は、ライブハウスの社長やインディーズのミュージシャンの方に自分のドラムを気に入られてやっているので、ギャラの面では、あまり請求できない立場です。それとライブハウスの社長の方は、汚い話、お金の面であまり信用できる人ではありません。

 プロのサポートミュージシャンの方と一緒にお仕事ができたり、ライブハウスのドラムを無料で使い放題なので、今の自分には申し分ない環境なのですが、これがこの先を考えると、不安になってきます。仕事を始めてから、自分のバンドではあったことのない年齢層のミュージシャンと触れ合うようになって、自分のバンドでだけ活動していた時には考えもしなかったようなことを聴き、物事を違った目で見れるようになったからです。  仕事を始めるようになって、自分のドラム技術の稚拙さや音楽の知識のなさを痛感し、現実という過酷なものを知りました。自分の今の課題は、大学卒業までにどれだけ、ドラム技術・音楽の知識を取り込むことです。

 しかし就職というものを考え始める時期になり、以上のようなことから、自分の中にあった、ミュージシャンになるという一本の柱みたいなものが、揺らぎ始めました。けれど、ドラムが好きで音楽が好きという気持ちが無くなっているわけではありません。けれど就職と音楽どっちに進もうかという悩みというものを抱えてしまいました。どうしたらいいのでしょうか?確信があれば、熱意をもって、精力的に進めると思うのですが。今のこの自分の曖昧さに、腹が立ってしょうがありません。
 この気持ちをどう整理して、悩みを解決したらいいのでしょうか?お返事お待ちしています。

 今回のこのお悩みには、チャン隊長とOHJI、2人のファーマーが答えます。



     チャン隊長

 この手の悩みはミュージシャンに限った事ではなく、カメラマン、小説家、画家、俳優・・・まあ共通してあると思います。広い意味でいえば、親が家業を継げと言ってるけどやだ、とかいうのも入るかもしれません。

 一つだけアドバイスできるのは、現時点でまわりの音楽業界の人間がごちゃごちゃ言うのは、進路を決める時には関係ない、という事です。他人の言葉が意味を持つようになるのは、あなたがミュージシャンとして行動しはじめてからでしょう。現在まがりなりにもお仕事ができるくらいの技量があるならば、あとはあなた次第ですね。ミュージシャンとして突っ走るか、就職するかは。

 しかしまあ、たとえ就職したとしても難しい世の中ではありますな。



     OHJI

 僕がお悩みクンの年齢の頃は、バイトしながらバンド活動して、仕事が入ったらそっちを優先するという生活をしてました。飼い猫と同じものを食べなくちゃ生きていけないというほど貧乏したこともあったけど、音楽が好きだからとミュージシャンを続けていたら、知らないうちになんとなくレコード・デビューしてしまい、ズルズルとアレンジャーになっていたなんていういい加減な人なので、そんなにエラそうなことは言えません。

 ただ、確実に言えることが2つだけあるので、書いておきたいと思います。

 一つはお悩みクンは就職ということにこだわりすぎではないかということです。最近ではどんな形で就職したとしても、定年まで完全にリストラと関係のない立場にいられるというのは、あまりないことでしょう。能力主義の職場も多く、そんな会社では自分の好きでないことを一生懸命勉強し続けなくてはならないことを考えると、同じ苦労をするなら好きな分野でした方が良いという考え方もできます。

 もう一つは大学を卒業しようが、就職しようが、それと「ドラム技術や音楽の知識を取り込む」ということは全く別次元の問題で、大学卒業までと自分の中で期限を設けるのはナンセンスです。毎日少しずつドラム譜を読む練習をしても良いし、ギターやキーボードを弾く練習だってできます。なにしろあなたにはこの先、何十年もの人生があるのですから、がんばって、しかし疲れないようにやってください。
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