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デジタルリプリントで観る映画「戦争のはらわた」と「追想」

 々月は、デジタルニュープリントになったサム・ペキンパーの「戦争のはらわた」と同じくロベール・アンリコの「追想」を新宿シネマカリテで観た。「戦争のはらわた」は大昔に観たけど、「追想」は観ていなかった!!!観ていなかったロベール・アンリコの映画があった!しかもそれがそれがメチャクチャおもろいとくなると、ちょっとショックでもあるが、ロベール・アンリコといえば「冒険者たち」、「冒険者たち」といえば「ジョアナ・シムカス」、「ジョアナ・シムカス」といえば、その「冒険者たち」の、ビキニ姿でボートに上がるシーンのキレイで大きなお尻・・このお尻に脳天を直撃され、その後の道を誤ったご同輩を数多く知っている。はい!もちろん僕もその一人です・・それが何か?

 作「追想」はウィキによれば1975年の映画である。何で観てなかったのだろうか・・わからない・・こともない・・大学4年で忙しかったもんな!なにせまだ世間はオイルショックが癒えておらず、就職戦線は今でいう「氷河期」だった・・だからだろうか?ま、それはどうでもいいとして、ストーリーは美しい妻と子供をナチス兵士に陵辱された上に火炎放射器で焼き殺された中年の冴えない医者の夫が、ライフル一丁を携えたスナイパーと化し、ナチス兵を全員殺していくという復讐劇である。

 き殺される美人妻は「ロミー・シュナイダー」!復讐するのは「地下鉄のザジ」のフィリップ・ノワレ!そりゃロミー・シュナイダーを焼き殺されれば、フィリップ・ノワレじゃなくても復讐に立ち上がるだろっ!ってなもんですが・・アンリコ監督がこんな戦争映画を撮っていたとはなぁ!知らなんだ・・ひょっとして知らなかったのは僕だけなんだろうか?いやぁ、ま、何にせよ、この小太りの冴えない中年男のその復讐劇は、そこらにあるものなんでも使いながらも結構緻密で、一人、また一人確実に火責め、水責めで斃していくのだ!デジタルリプリントの出来も素晴らしく、とても42年前の映画の画質ではない。最後の最後までドキドキしながらストレスなく見終わった。このとき、すでにロミーは30台後半だけど、相変わらずの、「どこか幸せ薄し」感を漂わせてとても魅力的です!

 た同じ日にみた「戦争のはらわた」・・こちらもデジタルリプリント版で40年ぶりの劇場公開!覚えていたのは、兵士が女性レジスタンスに無理やりフェラさせていたらポコチンを食いちぎられるシーンと、ジェームズ・コバーンが担ぎ込まれた病院で看病する「ゼンタ・バーガー」のチラリのヌードシーンだけだったが、今回改めて観たら、133分という長尺にも拘わらず、全く間延びすることなく、最後のジェームズ・コバーンの「ガハハハ」の大笑いまで、ひゃぁ、とにかく面白い!ちょっと前に見た、「ダンケルク」のまるでミュージック・ビデオかと疑うような戦争プロモーションビデオムービーとの何たる差!やはり、自ら海兵隊で戦って戦争のくだらなさを身を持って知っていたサム・ペキンパーと1970年生まれのクリストファー・ノーランの差なんだろうなぁ・・こんな素晴らしい反戦映画が40年前にあったとはね・・というより40年前だったからできていたんだね。


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