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映画「300」と民主政〜自民党総裁選

 ひ るがえって、いまの民主党政権下の日本はどうなるのであろうか。鳩山総理や小沢幹事長の献金問題はもとよりキャバクラ問題など早くも民主党議員のスキャンダルが散見されている。国家戦略局や行政刷新会議の曖昧さや、指揮命令系統の不備さなど、欠点や弱点は枚挙にいとまがないし、これからもっともっと出てくることだろうが、なにせ初めてのことだらけなのだから、あちこちに不備があるのは当然である。ここしばらく黙って見守るしかあるまい。マスコミはこれからも意地悪な見方に終始するだろうが、我々に残された選択肢は、民主党に健全に育ってもらうしかないのである。

 だ が、民主党が健全に育成してもらうにためには、自民党がいつでも政権交代のできる健全野党として存在してもらわなくてはならないのだが、「河野太郎」を選ばなかった(選べなかった)自民党の総裁選を見ていれば、それが不可能であることがわかり愕然とする。

 だ がたとえ河野太郎氏が総裁になっていたにしても自民党が民主党との違いを訴えるのは、ことここに至っては至難のわざである。総裁選の候補者討論会で河野氏は、民主党の大きな「政府」に対抗して小さな「政府」を目指すといっていたが、国民目線では、その大きさを比較する「政府」が未定義(政府が管掌するのは外交、軍事、通貨発行のみでそれ以外は地方にまかす、という比喩的な“小さな政府”なのか、政治家や役人の数を減らす、という直接的な“小さな政府”の意味なのかわからない)ので可視的ではない上に、施策において違いを出すことが困難である(前者の意味なら民主党も同様のことを主張しているし、後者であるなら議員定数を減らすと言ってきたのはそもそも民主党である)からだ。

 そ うなれば自民党は最早、もっと極端な社会主義的政党になり(いっそ共産党と連立して)真「左」に舵を切るか、あるいは「憲法改正」「核保有」「徴兵制」「官僚主導」「公共事業最優先」といったこれまでの自民党路線をもっと極端に「右側」に押し出すしか方法がない。いづれにしても現実的でない。ただただ民主党のスキャンダルをネチネチ国会で突っつくくらいしか能がない政党になって行きそうな気がする。

 民 主党の「反小沢グループ」が割れて、一部の自民党議員と組んで新党結成という可能性も、二大政党制の怖さを二回も身をもって知った議員たちの前では極めて薄いだろう。よほどのスキャンダルが民主党を襲わない限り、自民党は来年の参院選以後消滅していくしかない。


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