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イメルダ夫人の姪、メイ牛山の甥

 2 5年ほど前は、週末毎週のようにスキーに行っていた。いつだったか裏磐梯猫魔スキー場に行った帰り、東北道で大渋滞に巻き込まれた。

 退屈なので車中(男女4人)で「エッチしり取り」を始めた。とにかくエロい単語しばりである。さんざん大笑いしたけど、やがて飽きてしまい、今度は「絶対エロくない単語しばり」しり取りになった。これは、言った本人はそのつもりがなくても、誰かが「それエロイ!」と言えばダメ(もちろん、ダメ出しする人はその理由を述べなければならず、かつほかの参加者の同意も必要)というルール。

 な ぜかこの時、僕にだけ、やたらと「め」で始まる単語が回ってきた。ついにネタがきれた僕は苦し紛れに「メ、メ・・・メイ牛山!」と叫んだのだが、みんな大笑いでセーフにしてくれた。「ハハハ・・・ホントは人名ダメだけど、変すぎるから今回だけ許してあげる!・・・・にしても、男のくせになんでハリウッド化粧品の創業者の名前を知ってんだか!」

 だ が、次に、またもや「め」が回ってきた(目がまわったわけではないよ)もちろん何も思いつかず「メ、メ・・・メイ牛山の姪!」と言ったところ、今回も「ギャハハハ、なんかわかんないけど、とにかくおかしいから今回もオッケー!」でセーフ!

 全員ハイテンションになっているので何言っても大笑い状態である。そしてついにまたもや、僕に「め」がまわってきた・・・・「メ、メ・・・メイ牛山の姪の甥!頼む!通して!」・・・だが、今回は全員大笑いしているのに、なぜか「ダメぇ!」と言われてしまった・・・ま、そーだよね!

 し ょもない想い出話で始まりました。どぉ〜〜も!日刊エートスです!

 ・ ・・で?あれ、何の話だっけな?

 そ うだ、先週タワーレコード新宿店9Fで試聴して気になった「アイルランド出身のロッキン・スウィンギン・ガール登場!」のコピーがついていた「イメルダ・メイ」のCDが届いたので事務所への車中で聴いてきたのである!もちろん靴大尽の「イメルダ・マルコス」(写真右)の姪御さんではありませんよ。

 おおお、こりゃ、ジャケ(写真左)からしてカッコエートス!典型的なロカビリーギャルヘアーにヒョウ柄のドレス、下は黒のぴったりパンツだろうか?・・かわゆす!

 い きなりスラッピングベースに乗せてかっこいいロカビリーナンバーが聞こえてくる。そのまま最後まで全編ロッキン、スインギンで踊れます。

 ただ途中、数曲入っているバラードは、ジャジーでオールドタイミーなグッドタイムミュージックでまことに気持ち良く、それはそれでからだが自然に動き出す。

 彼 女のホームページによれば、イギリスの“姪”(もう!その「姪」じゃないでしょ!漢字変換君!)、“名”プロデューサーであり、自身すぐれたミュージシャンでもある「ジュールス・シアー」(彼がホストをつとめる「レイター・ウィズ・ジュ−ルス・シアー」は今もイギリスで放送されている素晴らしい音楽紹介長寿番組である。日本でも見られる)によって発掘され、今回のメジャー(ユニバーサル)デビューに至ったんだそうである。こういう技芸の伝承はとてもうらやましい。

 グ ラミーノミネートでもわかる通り、このところ若手女性アーティストの活躍が目覚ましいが、特に「エイミー・ワインハウス」、「KTタンストール」、「ダフィー」などイギリス諸島からのニューカマーが目立つ。これは言ってみれば、商業音楽マーケットの開拓ばかりに血道をあげていたアメリカメジャーが忘れた音楽の本質をなんとか保っていた本家、元祖であるブリティン諸国による第二次イングリッシュインヴェージョンだと思う。

 そ して、ここに今年さらにアイルランド出身のニューカマーが颯爽とスィングするリズムに乗って「若きインベーダー」の一人として登場したわけだ。

 ロカビリーとは、ロックンロール+ヒルビリーである。

 ヒ ルビリーのヒルは「丘」、町ではなく、丘の上で暮らす羊や牛追いのカントリーボーイ(イギリスから移住してきた男が多かった。イギリス人の典型名「ウィリアム」は、略して「ウィル」..やがてそれが「ビル」に変化する、だから「ビル・クリントン」の本名は「ウィリアム・クリントン」である)たちの音楽・・・それにロック(岩ではなく、揺れるという意味)し、ロール(回る)、つまり、揺れて回転する「踊れる」リズムが合わさった音楽である。ゆれて回転するんだから、「セックス」の意味もあるロックンロールは、当時の人だけでなく、今でも人々の情操をエモーショナルに高める要素がある。

 一 世を風靡する音楽に共通するもの、それは「踊れること」・・・なるほどね!

 実はこのアルバムとともに試聴してカッコよかったのでオーダーした、あと2枚のアルバム(まだ届かない)、一枚は、ハイチ系カナダ人の23才「メリッサ・ラヴォー/カンファー&コッパー」(写真上)と、名前を忘れたが、平均年令17才の三人兄弟(男一人、姉妹二人、こちらはアメリカ)の、音だけ聴けば絶対戦前のオールドタイミーミュージックにしか聴こえない素晴らしくスィングする音楽を聴かせるバンドと共に、切磋琢磨するんだろうな。だれが一世を風靡すんだろう?多分誰もしないだろうけど、僕は大変楽しみである。


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