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イタリアで迷子になり、そして猪を轢く その3

 レ ンタカーを借りていざ、キャンティへ!

   だが、せっかくのイタリアである。直行するのはもったいない!地図上では、キャンティとは逆方向になるが約30キロの行程のところに、「塔の街」“サン・ジミニャーノ”がある。ここは、世界遺産に登録された中世の町並みが残っているのはもちろんなのだが、当時対立していた二つの勢力(教皇派と皇帝派)が互いを監視するため、塔を立て合い、その塔が現在もまだたくさん残っている、そういう街なのである。実は配偶者共々塔好きである。行かないわけにはいかない。

 行 く前に一応国際免許はとってきたが、やはり右ハン、マニュアル、右側通行に不安が。そこで昨年、いきなりロスで同じ状況下でハイウェイを運転した(させられた)経験のある配偶者に運転をまかせることし、僕はナビ担当。らくちん!

 イ タリアはとにかく道が狭い。だからやたら一方通行が多い。フィレンツェを抜けるのに、アルノー川をぐるぐる回りながら、結構時間を食うが、いつのまにやら快適な2車線のフリーウェイに乗っていた。いけるじゃん!

 約30分ほどで右側に「サン・ジミニャーノ」の標識が出てきた。「ここだ、こで降りるぞー」そこからはほぼ一本道である。10分ほど行くと丘の向こうに城塞都市発見。「あったどぉ〜〜」

 勇 躍車を降りて石門の入り口で記念撮影。さぁ、いよいよタワー探検だ。とりあえず、街の中央にある広場を目指して歩く。まるで中世そのまま、といった風情の石畳の舗道に趣きがある。とろとろ歩くのが楽しい。だがなかなか肝心の「塔」が視野に入ってこない。広場に着くが、塔がない!はりゃ!おかしいな・・・不安にかられて食堂のおばさんに訊いてみる。もちろんイタリア語はどちらもできないから、地図を見せながら英語で話しかける・・しばらく地図を見ていた彼女が、もうしわけなさそうに、ここは「サン・ジミニャーノ」ではない。あと10キロほど先である、という。ぎゃっ!門からここまでもう20分くらい歩いている。大慌てで車に戻り、再度「塔の街」を目指す。

 す ると本当に、別の丘の上に、タワーのシルエットがくっきりと見えてきた。
 「あったど〜〜〜」

 今度は本当に塔の街「サン・ジミニャーの」である。サン・ジョバンニ門をくぐると沢山の観光客が行き交っている。道の左右にソーセージ屋や、ガラス細工屋、ワイン屋、リストランテなど、フィレンツェでも見かけた風景だけど、まわりが城壁で覆われているので、ぎゅーっと詰まった感じがする。ものの五分で広場に到着!わぁ〜〜、塔がいっぱいだ!確かにこれだけ、塔(最大70塔以上あったそうだが、今は14塔)が残っている街はここだけだそうだ。さっき間違って訪れた街もよかったけど、訴求力が違う!タワーハイになり、広場にあるリストランテでビールとトリッパの煮込みを喰らうが、名物のトリッパはわかるがイタリアビール!これがうまい!

 ほ ろ酔いでしばらく散歩していると、イノシシの剥製が飾ってあるソーセージ屋を発見しフラフラ入る!実はイノシシ(イタリア語でチンギアーノといいます)料理はトスカーナの名物なのだ。ガラスケースの前で涎をたらしている日本人を見ていた店のおばさんから「ヤポネ?これおいしいよ!」と話しかけられる。おそるべしはヤポネ!こんなところまで沢山の日本人が観光できているんだね。片言の日本語はここでも通じるのだ。どれもあまりにおいしそうだし、なんとも言えない香りが店中に充満しているので、さらにハイになる。日本人の誰もがなるというチンギアーノハイである(ウソですよ)。とくにポルチーニ入りのサラミが旨そうである。視線がサラミから動かない僕を見つけてすかさず、おばさんはだまって少しカットしてくれて差し出す。もちろん喰らう!う、うまい!結局2本購入する。二本で40ユーロ!だがすごく大きく、ずしりと重い。

 さ らに歩いているとエノテカ(ワイン屋さん)がある。ここでもワインを試飲する。う、うまい!ラベルに塔が印刷されている白を2本購入する。するとワインの横にかわいい瓶にはいったグラッパがあるではないか。実はかなりのグラッパ好きである。もちろん試飲し、3本購入する。

 だがふと時計を見ると五時前だ。そろそろキャンティに向かわなければならない時刻である。ここから順調に行けば、少なくとも2時間で着く筈である。

 サ ン・ジミニャーノを後に一路「シエナ」に向かう。時間があれば、本当はシエナ観光もしたかったのだが、ロスタイムが重なり、無理なので、街を通過して目的地である「ガイオラ イン キャンティ」を目指すことになった。

    次回に続く。


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