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ワー新宿9Fでの試聴機で即買いした一枚。
まさか、ルシンダ・ウィリアムスの資質を受け継ぐ若いミュージシャンに巡り会うなんて思いもしなかった。(なんだか前回と同じ書き出しだなぁ)
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はこのアルバム、ホントにルシンダ・ウィリアムスがキャリーと共作した曲「MASK OF MOSES」(モーゼよ、その仮面をはずせ!そしてほんとの顔を見せよ!そうすれば我々はお前を信じるだろう、という正に今の世相をモロに反映した怖い歌です)で、いつもながらの凄みのきいたコーラス(カモーン!カモーンと姐御がモーゼを呼びつけてます!姐御にこうまで呼ばれたら、さしものモーゼも出て行かざるを得ないでしょうね・・・)で参加しているのである。大体からして目力に満ちたこのアルバムジャケットはルシンダの睨みつけジャケット「WEST」に似ているし・・・それどころか、メアリー・ゴウシェとの共作もある!これがまたメアリー節を基調にキャリーの甘さが適度に加わった素敵な曲なのだ。ほんとにビックリしてしまう。
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シンダ(51才)を“やさぐれシスターズ”の長女だとするなら、メアリー(46才)は次女である。そこへ、突然年齢の離れた末の妹キャリーが産まれた・・長女と次女はそんな子供のような妹分が可愛くてしかたがない、そんな感じではなかろうか。
もっと驚いたのは、コーラスに「AOIFE O’DONOVAN」(オイーフ・オ‘ドノバン)がいること・・・よりによって前回の日記に書いた「アリソン」を受け継ぐもの・・・折れ曲がった蒸溜器=「CROOKED STILL」のボーカルその人ではないか!うひゃ〜〜〜
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のアルバムのプロヂュースはダニエル・ラノワの直系愛弟子「マルコム・バーン」。エミルー・ハリスの「レッキング.ボール」やボブ・ディランの「オ−!マーシー」などラノワの傑作群に常に携わってきたマルチミュージシャンであり、エンジニアである彼の音楽は、建築物で言えば、基準より鉄筋の数量が多い堅固な作りの建物の中に濃密な空間がゆっくり流れる重厚なものである。ま、メジャー感タップリってことなんだけど 全く重くはない。むしろキャリーの歌の世界をしっかり受け止めきっているので、キャリーの歌の甘酸っぱさが際立っている。
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れまた前々回の日記で書いた「マーク・コーン」のアルバム「ジョイン・ザ・パレード」のアルバムタイトル曲は、このマルコムのファーストレコーディングセッションをチャーリー・セクストンが仕上げたものである。だがそのことをライナーで読んで不思議な気がした。何故ならそれはマルコムは何らかの事情で制作を中断し、それをチャリ坊が受け継いだということだからだ。
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通は制作中にメンバー間でなんらかのトラブルがあり降りたのかなと思うが、それにしては素晴らしく、このアルバムの中でも出色のできばえである。
思うにこういうことではなかったのだろうか・・・この時期、マルコムはキャリーのプロデュースも平行して行っていたが、やはりそちらを中心にせざるを得ない事情が発生してしまった。そこでマークとチャリ坊に相談した。
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マルコム「ねぇ、悪いけど、キャリーの仕事をどうしても最優先しなくてはいけなくなっちゃってさ・・なんせ、ルシンダ姐御やメアリー姉さんもいるしさ、姐御たちの機嫌そこねるとめんどいじゃん・・・でさ、もうあらかた出来上がっているから、チャリ坊、あと頼めないかな?」
チャリ坊「・・・俺はいいけど、マークがよければ。マークどう?」
マーク 「いいよ、ほぼ出来上がっているし、チャリ坊、あとよろしくお願い。マルコム!姐御たちにくれぐれもよろしくな、バイバイ」
マルコム「ううう、すまんのう!んじゃ、ちょっくらあっちに行ってくるわ」
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の他にも、キャリーはゲーリー・ルーリス(ジェイホークス、ゴールデンスモッグ)やジム・ボキスト(サン・ボルト)らオルタナ系のミュージシャンと共作しながら、しっかりキャリーの若い個性を出し切っている。ルイジアナ生まれだが、その後ボストンに出ていった分洗練されているところが初々しい。
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のキャリー嬢はまだ30才!もちろん十分にお若いです。なのでアルバムタイトル曲「SHE AINT’T ME」など、「ダフィー」や「KT・タンストール」などといい勝負できそうなポップチューンだが、このままいけば、やがて適度にやさぐれてくれることだろう・・50才を超えたころの彼女の音楽がまことに楽しみだ・・しかし、まてよ!その頃俺はもうこの世にいないなぁ・・それはまことに残念!
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