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「パンズ ラビリンス」再び



 2 週間程前に、映画「パンズ ラビリンス」の感想をmixiの日記に書いた。
ふとコメントを読み返していたら、最初にコメントを頂いた方のコメントが消えていてビックリ!「ありゃりゃ??削除されている!なにか怒られるようなこと書いたっけ?」とビビったのだが、実はコメントが50を超えると自動的に最初の方は隠されてしまうわけなのね!(つねに表示される限度が50コメントまでということ)

 コメントが50というのは初めての経験である。もちろん僕からの返信コメントがほぼ半分だけど、それにしてもどうしたことだろう?
 コ メントいただいたのは、馴染のマイミクさん以外に「初めまして」の方が多数いらっしゃった。これを機会にマイミクさんに加えさせて貰った方も一人や二人でない。(というか僕のマイミクさんは半分以上が、実はまだお会いしたことのないかたである。)
 こ れは、この映画「パンズ ラビリンス」が、いかに面白かったのに、どうしてこんなに面白いのかがよくわからない映画であったことを示している。

 つまり皆さんは、なぜ僕は(私は)こんなに暗く残酷で痛々しい映画に、ここまで惹かれてしまうんだろう!???と思い悩んでしまったせいでこんなにも書き込んだり、ご自分の日記に書いていらっしゃるのである。
 人  は、ものを書き始めるとき、あらかじめ書く内容や結末がわかっていることはない。意外かも知れないが、われわれは、普段あたまで考えてからしゃべるではなく、しゃべってから考えている。ギタリストの魔法のようなソロフレーズが頭で考えてから弾かれるのでなく、指が勝手に弾いてしまうのと同じように「書く」という行為もそういうことである。

 僕が日記を書いてみたのも、頭でわかっていたから書いたのではなく、キーボードを叩き出す指が、「この映画の何にこんなにも私は惹かれるのか」について、勝手に思考していたのである。そして書き終えた文章を読んで初めて頭の方が「へぇ〜、だからオレは感動したのか」と納得する仕組みになっている。
 感 動の由来がわかっていればあえて書く、という行為は行われない。少なくとも僕はそう・・・だから僕の日記は飛び飛びである。

 10人中2,3人が「大傑作!」残りは「クソじゃ!」というような映画の方がそういう行為を惹起する。10人中、7,8人の人が「まぁまぁ面白いんじゃない?」というような映画だとそういうことはおきない。観客動員数とは関係ない。
 だ いぶ前に「CDが売れない理由」というコラムにこんなことを書いた。

    http://www.net-sprout.com/iitaihoudai/048cd.html
 「 ・・・・・・ だが、結局のところ、何が売れるのか、なんて誰も自信がないし、どうすれば売れるかなんてこともわからないまま宣伝企画書なんて書いて何時間もかけて会議している。営業だってそうだ。マーケットリサーチなる手法がこの業界にも取り入れられるが、この先何が売れるのかはわからない、これまで何が売れたかがわかるだけ。そこに適当な理屈を後からくっつけて納得しているにすぎない。音楽市場のストライクゾーンなんて消費者が作っていて常に動いている。野球と違って、昨日のストライクゾーンは今日のくそボールだ。

 話はそれるが、野球には不思議なところがある。通常守備位置につく選手は、統計的に、または経験則的に過去もっとも球がよくとんでくると予測されているところにグラブを構えている。だが、そこ=過去よく球が飛んでくるところに打つと、見事にそれは「アウト」になる。そして守備位置と守備位置の間をすりぬけた球だけが「ヒット」なのであり、守備位置から離れれば離れるほど、長打=「大」ヒットになる。つまりみんなが「来る!」と思っているところに打った球はアウトで、「来る」と思っていないところに飛んだ球だけが「ヒット」ということだ。あたりまえのようで、ちょっとおもしろい・・マーケットリサーチに似ていると思うのは僕だけだろうか?

 また、はるか昔、ビザンチン帝国の優れた皇帝であり将軍でもあった皇帝マウリスは、あるとき部下に「このあと戦場でなにがおこると予測すればいいですか?」ときかれたとき「予期しないこと、起きてほしくないことが起こる、と常に予測せよ」 と言ったそうだ。「戦場」を「市場」に置き換えれば、マーケティングリサーチにも同じことが言えるだろう。・・・・」
 こ の映画を上映中の恵比寿ガーデンシネマ・・・本当は、とうの昔に次の映画に切り替わっていた筈だったのだが「大ヒット上映中につき続映決定!」なんだそうである。奉祝!

   だが、だからといって、どこぞの映画会社がまた「ダーク・ファンタジー」を作っても(きっとまた作るに違いないが)、それは見事にアウトになるということをあらかじめ申し上げておく。
 と いうようなことを、考えていたんだね。

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