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第51弾です。今回の応募には「メロディ・メイカーやなぁ!」と思わされる作品が多く、かなりおもしろかったです。それぞれにさらなる勉強をしてください。期待しています!

1:福岡県 Seventh Heaven Orchestraさん 7月12日
  1: Love In Rain 2: PANDORA 他
Ohji: ギターの技術は優れていると思います。特に一曲目のギターはジェネシスを思わせるフレーズ、センスが素晴らしいです。ですが、曲は全体に重いサウンドで、部分的にはおどろおどろしくさえあり、ヴォーカルがそれに輪をかけるようにどろどろしているので、長時間聴くに耐えません。もっとシャープなアレンジ、歌い方を心がけてください。またまるっきりVan Halenのような楽曲はギタリストとしてのプレゼンテーションに使ったり、自主制作のアルバムに収録するのはいいと思いますが、アーティストとしてのデモテープ向きではないと思います。
ドラムスの打ち込みは、あまりにも機械的すぎて、おもしろみがありません。本当は実際に叩いてもらうのが一番なのですが、それがムリなら、もっとタイミングや強弱の勉強をしましょう。
CDの音質ですが、打ち込みでトラックを創っている人にしては異常に音が悪いです。まるでカセット・テープからダビングしたように聞こえます。カセットMTRを使っているのでしょうか?こんなに音が悪いと せっかくCDに焼いた意味がありません。
あと、プロフィールが長過ぎます。自分で長さをうまくコントロールできないのなら、市販の履歴書用紙などを使った方が良いでしょう。

2:三重県 中原さん 7月14日
  1: Love some body 2: Yore eyes only 他
Ohji: 48弾に続いての応募です。 前回もコメントしましたが、カラオケで録音する場合にも、歌vsオケのバランスはキチンととってください。オケが小さく、歌しか聴こえないのでは、ピッチに関してコメントするのが難しいです。とはいえ、かなりピッチの不安定な部分が多いので、 何度か、歌う→聴くという作業を繰り返して、音程の悪い部分を集中的に練習してください。同時にバランスも修正すれば良いでしょう。
ソーラン節のインストラクターをしていて、賞をとったということですが、そういう経験をしているのなら、ソーラン節のエッセンスを取り入れた作品を創る研究をしてください。今はどんなアーティストでも自分で作詞か、作曲をする時代ですから、オリジナリティは重要なポイントです。自分ひとりではオケが作れないのなら、編曲や演奏のできるメンバーを探してユニットを組めば良いでしょう。
口が充分に開いていないので、舌足らずのように聞こえます。この歌い方は今の時点ではまだ若いということで許されるでしょうが、すぐに「ヘンなクセ」といわれるようになるでしょうから、早めに直しておいたほうが良いでしょう。

3:東京都 Auroranoteさん 7月15日
  1: ジグゾーパズル 2: 面影橋 他
Ohji: メロディ・メイカーって感じの人です。メロディがとても良く分かるデモで、演奏はシンプルですが、コード感がはっきりしていて、リズム・パターンも自然で、どんな楽曲なのかが良くわかるようになっており、デモとしての必要条件を満たしています。ミックスのバランスはドラムスが大きすぎ、ベースが小さすぎるのが課題ですから、自分の好きなCDなどを教科書として、勉強してください。
ヴォーカル、とてもうまいのに、歌うのが恥ずかしいのでしょうか?ここまで巻舌にしてしまうと、歌詞が良く聞こえないし、28歳でこの歌声はちょっとブキミです。このまんま大ヒットチューンが誕生したあかつきには「ユニークなオリジナリティ」と表現されるのかもしれませんけど...。エンディングは尻切れとんぼのような印象の曲が多いので、もうひとつひねるか、ごく普通のフェイドにするかした方がいいでしょう。

4:大阪府 前田さん 7月16日
  1: 音楽 2: Great Story 他
Ohji: 楽曲、ヴォーカル、アレンジのセンスとどれもイイ感じなんですが、ギターのディストーションがひどく汚い音です。すごくいいのに、この音が入ってくるとすべてぶちこわしになってしまってます。このままではあまりにもったいないので、ディストーション・ギターが入らないアレンジを考えるか、楽器屋さんで、いろいろなエフェクターを試すなどして、ギターのオーヴァードライヴ・サウンドやアンプによるクランチ・サウンドのシミュレーションを勉強してみてください。

5:神奈川県 田村さん 7月16日
  1: Love is Message... 2: I WILL GET YOUR KISS 他
Ohji: 第35、36、43弾に続いて4回目の応募です。オリジナル楽曲を自分で歌ったものを聴きたかったのですが、プロフィールには「作詞や作曲などクリエイティブな面にも力を付けられるよう〜」とだけ書いてあり、クレジットがないので良く分かりません。
20歳にしては幼い歌い声なのですが、ラップのような歌い方をすると急におとなっぽいというか、かわいらしさのかの字もない雰囲気になってしまい、アンバランスです。音程がもっとしっかりする必要もありますが、どういう風に歌うとどういう雰囲気を創りだせるのかということも勉強して下さい。

6:神奈川県 小堀さん 7月20日
  1: Changing 2: ノンフィクション 他
Ohji: この人もメロディ・メイカーです。で、この人も同じようにクセのある歌い方をしていて、3曲目などは歌詞がまるで聞き取れません。1、2曲目のような比較的ストレートな歌い方をするように心がけた方が良いでしょう。
アレンジもいい雰囲気を持っていますが、ドラムスのアレンジは、生で演奏すると抜群に活きてくるフレーズ中心なので、ドラマーとユニットを組んだらすごく良くなると思います。とりあえずはライブを見てみたいなぁ。

7:北海道 長谷川さん、武田さん 7月21日
  1: 邪愛 2: 花勝負 他
Ohji: ヴォーカルも楽曲も素直でヘンなクセがなく、良いです。このまま伸びていけばいいなと思います。ただ、このデモテープのままの音源がCD化されるということはないでしょうから、デモテープを送る相手には、自分達の可能性を見抜いてもらって、チャンスをつくらねばなりません。そのためにプロフィールには「うた(長谷川)、詞曲(二人)」などという簡潔過ぎる文章だけでなく、具体的に2人での詞曲の作りかた、ギターはどちらが弾いているのかなど、もっと詳しいことを書いて、アピールするようにした方が良いでしょう。デモテープを送るという行為は一種のプレゼンテーションなのだと考えてください。
これからの精進方向としては、ギターの弾き語りという点だけにこだわると、ギターの腕を磨いてライブを一生懸命やってみるという方法もありますが、あなた方の芸風というか、音楽的な部分を考えると、アレンジができて、演奏か打ち込みのできる新メンバーを加えるというのがおもしろそうな気がします。

8:神奈川県 布川さん 7月21日
  1:  2:  他
Ohji: この人もメロディはまぁまぁなのですが、同じように舌足らずな歌い方をしていて、ピッチもかなり悪い部分が目立ちます。作曲家といっても、作曲コンペでシンセメロが採用されることは稀なので、歌うことは必須です。しかもクセがないことと、ピッチが安定していることは最重要なので、しっかり練習した方が良いでしょう。
この人のプロフィールはさらに簡潔で、年令と電話番号しか書いてないので、曲名もわかりません。順番と曲名ぐらいは書いてください。でもこの人の場合、30秒から1分30秒くらいの楽曲というよりは、断片あるいはモチーフといった方が良いような短いものばかりで、歌詞がないものもありますから、タイトルもついていないのかもしれませんね。こういうパターン集のようなものは、仕事を依頼されたときにクライアントに聞いてもらえば、ミーティング時でのお互いの言葉の解釈による誤解などが生まれないようにする為には効果的です。しかし、デモテープとして送付する場合、大半の人はある程度の完成作品を収録していますから、こういう構築途上にあるものを送っても不本意な結果に終わってしまうことが多いでしょう。作詞が自分の仕事の範疇に入ってないのなら、アレンジ、構成は完成したものを送るようにしてください。

9:神奈川県 渋谷さん 7月26日
  1: シャンデ 2: 一つにする
Ohji: こういうオケがなく、歌だけの作品は一般的に「アカペラ」というのでしょうが、オケがないので作品として成立させるのが大変むずかしいスタイルです。このスタイルを作品として成立させるには、あなたはまだまだヴォーカルの技術を学ぶ必要があると思います。プロフィールに書いてくれた「旅をしながらartをリアルに広げていけたらと思います。(中略)Artだけじゃない、その奥にある思いを感じてほしいとおもいます。」という言葉は大変良い言葉ですが、今回のデモでは「Art」自体が感じられませんでした。
楽器を弾きながら歌うことを勉強するか、楽器をひいてくれるパートナーを探すかした方が良いでしょう。がんばってください。

10:東京都 Backyard Partyさん 7月28日
  1: Hey! 2: ロシアンスカイ
「ロシアンスカイ」を試聴
Ohji: もう常連ともいえるこの人たちですが、彼らはまさにメロディ・メイカーと言っていいでしょう。2回目のデモMD以降は毎回新曲と旧曲を一曲ずつという組み合わせで送付してくれてますが、新曲は必ず新しいアレンジの技法にチャレンジしているので、成長して行く過程を見るようでもあり、おもしろく聴かせてもらっています。しかも自分達のカラーができあがっていて、どんな曲でもその外にはみだすことがありません。ヴォーカルだけに限らず、ギターやリズムの構築の仕方にも独自性があるのでおもしろいのです。またバランス感覚がしっかりしているので、個性を出そうとして基本的な音楽要素が破綻するということがないというところも絶妙です。といいところばかりのように書いてしまいましたが、他のオーディションには自信のあるデモを何曲か作って、その中から2、3曲を選んで送付した方が良いでしょう。あまりしょっちゅう送りつけていると、審査する人の機嫌を損なってしまい、相手にしてくれなくなってしまうかもしれませんから。
今回、新曲に相当する1曲目はハーモーニー・ヴォーカルのアイディアも練れているし、バッファロー・スプリングフィールドのようなトレモロ・ギターが効果的です。ただ2コーラスめでAメロ・バッキング・ヴォーカルの歌詞がない部分は主メロを邪魔しかねないので、なくしてしまう、ユニゾンではないメロディにする、特殊なエフェクト効果を施す、のどれかをした方が良いでしょう。
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