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第47弾です。かなりおもしろい作品もあるんですが、その分問題点も濃ゆくなる傾向があるようです。
特別趣向として、イチオシ・アーティストによるコメントを始めることにしました。今回は第8代イチオシの石川寧が担当してます。

1:東京都 Grammy Joeさん 5月25日
  1: Soul Nakid〜裸のSoul様〜 2: Virgination 他
Ohji: 歌は録音方法も含めてたいへん良いです。楽曲も良いのですが、オケに使われている楽器の音色がチープで、 トランペット系の音が脈絡なく入ってくるなど、DTMにありがちな安易なアレンジが目立ってしまい、 歌を十分に活かしきっているとはいえない状態です。 音楽の方向性から考えると、バンドを組むか、バンドっぽい音作りの好きな人を探すかした方が良いでしょう。
また英語のスペルには気を付けましょう。 曲のタイトルをスペルミスするようなら、英語のタイトルはやめておいた方が良いと思います。
石川:説得力のある声なのに、歌詞に意味が感じられません。熱い気持ちを、自分だけの言葉を見つけて表現したら良いと思います。ハモりの音程も気になります。
オケはよく耳にする感じのありきたりな音楽スタイルです。打ち込みはどんなに作り込んでも生には勝てないので、歌唱力を生かして、ほんとうの意味でのオリジナルを生バンドで表現してほしいです。

2:宮城県 富塚さん 5月26日
  1: セカンド 2: まだ見ぬハニー
Ohji: こういうフォークロック系のオケでは判断が難しいのですが、ドラムスのトラックは本物っぽくしたいのか、 「打ち込みだぞ!」という姿勢で取り組むのかをはっきりさせて録音した方が良い結果になると思います。 もちろんドラムスをプレイしてくれる人を見つけるのがベストですが...
もうさんざん言っていることですが、歌詞には具体的な内容を盛り込みましょう。 抽象的な言葉を並べたものでは、もう一回聴きたいという気持ちになれません。
石川:それぞれの曲調がはっきりしていて良いですね。ただ上手なのに、時々音程を外すのがもったいないです。
二曲目の打込みドラムとアコギのミスマッチが面白いので、普通のドラム伴奏の部分も、もっとセンス良く機械っぽくしたらもっと面白いと思います。

3:埼玉県 スパイシー&ジューシーさん 5月27日
  1: Crazy For You 2: ケセラセラ 他
Ohji: ポップで覚えやすいというのはどういうことか?ということをそのまんま実践している人たちです。 楽曲、アレンジ、バッキング・ヴォーカル、どこをとっても丁寧に分かりやすい仕上がりになっています。
でも、せっかくそれらのワキ役たちがバックアップしてくれているのに、ヴォーカルも歌詞も一本調子で、工夫がなく、 おもしろくありません。いろいろなジャンルの音楽を聴いて、歌に様々な表情をつけられるようになってください。 それができないようなら、別のヴォーカリストを探した方が良いでしょう。
石川:歌、演奏とも元気で、各曲それぞれ歌を生かすアレンジが良いと思います。その分、ボーカルの音程とリズムの悪いところもまた目立ってしまいます。一曲目の細いシンセは無くてもよいのではないでしょうか。

4:埼玉県 吉田さん 5月28日
  1:  2:
Ohji: MDが破損していて聴くことができませんでした。

5:東京都 秋山さん 5月31日
  1: とおくに 2: 指一本で倒されるだろう
Ohji: 昨年8月26日に大塚のTSC(現在はMPJと改名しています)でお会いして以来、 何度かライブを見せてもらっている秋山さんのデモです。
もうそろそろ自分の楽曲をどんなアレンジで聴かせていくのかを決定する必要があるでしょう。 そしてそうすると、各楽曲の一番生きる姿をCDだけではなく、いつでもライブで表現できる必要も出てきます。
石川:まず曲名に引かれて、聴いてみたらやはり歌詞が良いですね。思いがストレートに伝わってきます。でも歌の音程が若干甘いと感じました。フルアルバムやワンステージ聴くにはちょっと辛いかもしれません。しかし、リズムにはセンスを感じます。
このデモでは打込みドラムでしたが、パーカッションやバイオリンなど、ちょっと変った編成だとより良さが出るのではと思います。

6:千葉県 伊東さん 5月31日
  1:  2:
Ohji: まだメロディにどんなコードで伴奏して良いか分からない場合もあるようですから、 その点に注意していろんな曲を聴きましょう。 最初のうちは、ただ聴いているだけでは自分のものになりにくいので、 気に入ったメロディとコードがあったら、キーボードで弾いてみるようにしてください。
曲の構成も一つだけではないので、 勉強が必要です。こちらはコードネームを覚えて、 コード譜を書くくせをつけましょう。 また表現者にとってタイトルは重要です。たとえ4行の詞しかなくても、 タイトルはつけるようにしましょう。
石川:ささやくように歌うにしても、呼吸まで弱くすると、不安定で遠慮して歌っているように聞こえてしまいます。安定した息で歌うと良いと思います。
歌詞の中の「本当の恋」「瞳はやさしすぎて痛い」といった言葉は、抽象的で訴えかけるものがありません。自分の言葉で詩を書いたら良いと思います。

7:群馬県 平塚さん、佐藤さん 5月31日
  1: ケーキ 2: キンコンカンコン 他
Ohji: フリーやバッド・カンパニーが好きなそうで、ポール・ロジャースに影響を受けているのかなと思うのですが、 実際に歌うのは女の人なのですから、彼女の声域を調べてその範囲内でメロディを作ってください。 なおかつ、彼女の声質に合った曲を作ること。彼女の声にシャウト系のメロディではミスマッチです。 魅力が激減してしまいます。
また歌詞ですが、表現したいことをもっと煮詰めてください。 特に1曲目はいくら女ストーカーのストーリーとはいえ、 「ウニを週末にとってきてあげる」という内容の歌詞はどうしてここに出てくるのか全く分かりません。
石川:歌詞がとても面白いです。暗いトーンのボーカルとの組み合わせがまた良いです。ただ、三曲とも曲調が似ているのが残念です。Keyぐらいは変えたら良いと思います。
二曲目のイントロのハイハットですが、拍の頭のように思わせて実は裏打ち、All Inで頭打ちに戻すのは気持ち悪いです。ギターのみでその効果は十分出ると思います。

8:神奈川県 シモヤマさん 5月31日
  1: M-1 2: M-2 他
Ohji: こういう作家志望の人、かなり多くいるとは思うんですが、現在のようにCDが売れないと 普通の作家の楽曲を使うよりはすでに知名度のあるアーティストのものを使った方がプロモーションが 考えやすいため、作家のみで生きて行くのはかなりキビシイです。
できれば自分でもアーティストとして活動しながらというのが正解だと思いますが、それが不可能なら、 せめてシンセの仮メロディはやめて、歌をいれてください。自分で歌うのが一番いいのですが、 それもムリならできれば仮の歌詞を書くことのできるヴォーカリストを探した方がいいでしょう。
あとはメロディは人に聴かせないまでも、一度自分で歌ってみてください。このデモに収録された楽曲は 、メロディに対して歌詞がどういう形ではまるのかを全然考えていないように聞こえます。
石川:デモの曲はもっとオリジナルなものを送ったほうが良いと思います。どこにも新鮮味がありません。こういう曲の作曲依頼が来た時だけにしたほうが良いです。
打ち込みのみのインストは、他の人の生演奏と比べてかなり聞き劣りしてしまいますから、歌だけでも歌詞を付けて生のものを聞いてみたいです。どうしても打ち込みの楽器を主メロに使う必要があるなら、ベロシティーの変化はもっと極端につけたほうが、平坦にならずに良いでしょう。

9:埼玉県 尾上さん 6月9日
  1: 変わらない空と... 2: 君は明日に歩き出せばいい 他
Ohji: すばらしい声を持っていて、こんなに音楽のことが良く分っていて、しかもいろんなことができているのに、どうしてこんなに他のアーティストの二番煎じみたいな曲ばかりなんでしょうか?まだまだいろんな音楽を聴いてみる必要があると思います。
石川:歌もうまいし、録音も良いです。アレンジもそつないのですが、あまり必然性の感じられないキメが時々気になります。
「旅立つ」とか、「夏が過ぎ去る」といった表現には、類型的な情景や感情しか浮かびません。伝えたい事がしっかり歌詞に込められていたら、聞き手の趣味に関わらず、十分納得させられるハズです。感じたことを独自の歌詞で表現してみたらと思いました。

10:鳥取県 The arkさん 6月10日
  1: So long dear... 2: MIND GAME 他
Ohji: 第39弾に続いての登場です。デモCDに同封されたプロフィールには「メロディを大切にした曲作り、アレンジを心がけています。」とありますが、それにしてはヴォーカルのフェイクや音程が分からなくなるようなビブラートが多く、基本的にピッチも悪いです。ギターソロもとてもメロディ・ラインにインスパイアされたとはいい難いもので、???という感じです。
率直に言うと「メロディを大切にした」という言葉を言い訳にして、メンバーひとりひとりが好き勝手にやっているという印象が強いです。 実力はあるようなので、もう一度「メロディを大切にした」ということはどんなことなのかを考え直してください。
石川:歌のハモりが小さくてボソボソしています。入れるならはっきりと聞こえるバランスにするべきです。歌詞に独自性が感じられないので、同じ思いを別のいろんな言葉で表現するよう努力してください。
シンセ音が邪魔な時があります。ギターは上手だし、ベースも存在感があるので、もっとスムーズに叩けるドラマーがいれば、シンセ無しで十分です。音数、曲の展開をシンプルにするともっとメロディーが聞こえてくると思います。
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