チャン隊長：保育園の園長さんだそうです。オリジナルの音楽で園児たちの情操教育なんてのもありですね。

Ohji：プロフィールにはどのような視点からのコメントが必要なのかが記入してなかったので、これで正しいのかどうかわかりませんが、保育園でイベントやお遊戯に使用するのであれば、良い音源だと思います。ただ「言葉を覚える」という観点から言うと、長すぎるリヴァーブや主メロと重なった追いかけバッキング・ヴォーカルは避けた方が良いかもしれません。

チャン隊長：ちょっと中期のデビッドボウイを思い出しました。もっと演奏力の向上と、歌詞にカタルシスが感じられるようになると良いのだけど。

Ohji：サウンドは全体的にwarmな感じで雰囲気が良いので、ギターもGibson系のハムバッキングPUをアンプに通した音の方がマッチするのでは？ヴォーカルのメロディを確認しながら歌入れすると、もっと良くなると思います。空いたトラックにガイドメロを録音しておき、歌う方も、録る方もそれをモニターしながら、というのがベストです。

チャン隊長：きくりえさんはここにコメントを書く前にライブを見て本人にお会いしてるので、ちょっとコメント書きづらいけど、あえて書きます。全体的にはなかなかイイ感じで好みです。が、歌詞にリアリティが欲しい。シンパシーを感じられるような。そうしたらとても良くなるとおもいます。

Ohji：まず録音レベルが低く、音がモコモコです。ムリに過激なトゲのある音にしなさいと言うつもりはありませんが、これではせっかくのやわらかいヴォーカルのサウンドがボンヤリとして、歌詞も聴き取りにくくなってしまいます。またその歌詞ですが、漠然としたイメージの言葉ばかりで、「思わず耳を奪われる」ということがほとんどありません。具体的な事柄を考えて、歌詞を書いたらどうでしょう？

チャン隊長：ねばっこく舌足らずなボーカルスタイルは良いのですが、どうもサウンドとのマッチングが悪いような気がします。

Ohji：1曲目のスネア・フィルにロールが使われていますが、ちょっと強引過ぎます。音楽的に連符にするか、本物のドラムを実際にインテンポで叩いたサンプルを使うなどしてください。ヴォーカルがものうげなので、オケはなるべくナチュラルな雰囲気を大切にするか、思い切ってモロ打ち込み感を前面に押し出すかのどちらかが良いでしょう。

チャン隊長：実力はかなりのものです。２曲目サイコー。

Ohji：せっかくPercussionのメンバーがいるのだから、3曲目のようにあまり入りそうにない楽曲での、Percussionのフィーチュアのしかたを考えると良いのでは？

チャン隊長：メロディと歌詞の作り方をもう少し勉強してほしい。

Ohji：もっといろいろな音楽を聴いて、メロディの作り方を勉強してください。こんなに一本調子では、10曲はおろか、3曲と聴かないうちに別のアーティストのCDに変えてしまいそうです。それに、英語の歌を歌うなら、英語の発音を勉強してください。

チャン隊長：サイケ＆アバンギャルド。なかなか。

Ohji：打ち込み系の楽器やベースがしっかりしているうえ、EQをフィルターとして活用したり、逆転ワザ、オンオフワザなど、大変おもしろいです。1曲目は初期のTears For Fears（一枚目のアルバムなど）、2曲目はやはり初期のPink Floydを想わせる程です。ただ、全体として聴くと、歌がメインに聞こえないところが惜しいので、シド・バレット、ケヴィン・エアーズのソロなどを聴いて勉強してください。

残念ながら送られてきた CD-R が再生できませんでした。

チャン隊長：ロックンロールの気持よさが出てないなあ。もちっとガンバってください。

Ohji：ヴォーカルのRinさんはデボラ・ハリーやブリジッド・バルドーを尊敬しているとプロフィールに書いてありましたが、歌い方やヴィジュアルなどの面で、そういう要素を出していった方が良いと思います。プリテンダーズも見たり、聴いたりすると良いかもしれません。録音状態ですが、せっかくのスラッピング・ベースの音がモコモコで、アタックが弱く、もったいないサウンドになっています。あと、メンバーがドラムスを叩いている音源も聴いてみたい。

チャン隊長：けっして上手くはないけど、切なくてけっこう好みだったりする。

Ohji：あらゆる面で技術的にはまだまだこれからですが、「歌を録音したもの」としてはいい感じです。ギターのフレーズにも無駄が多いですが、一瞬きらめくものがいくつもあります。ドラマーを探して、がんばってください。