ステージではキャラメルママの演奏が始まっている。 細野晴臣と鈴木茂を中心に、ドラムスに林立夫、キーボードに松任谷正隆を加えた新ユニットだ。あまり通 常のバンド活動はおこなわず、おもにレコーディングセッションを活動の場にするという。これも日本では初めての事だろう。 「ね、キャラメルが終わったら、次ははっぴいえんどの番でしょ。見に行こ」 と、ター坊。 「う〜ん、まぁそうだなぁ・・・。」 あまり気乗りしなさそうな、山下。 「あれ〜。どうしちゃったのかな〜。なんか変。」 「ライブ終わった直後の興奮がさめてさ、反省モードに入ってるわけよ。いがいとクールだから。」 フォローするベースの鰐川。 「ふ〜ん。ま、いいけど。でも、でも。最後なんだから見に行こうよ。ね、ね。」 「わかった、わかったよ。じゃあ袖からちょっと。」 「だめよ〜。袖からじゃ。PA通った音じゃないと全然わかんないし、だいいちメンバーの演奏するとこ見れないじゃない。」 そこにトイレから戻ってきた脳天気男のムラマツ。 「ふ〜、やっと下痢おさまったみたい。やっぱ俺って繊細。あれ、何もめてんの〜。」 ちょっと場違い君であった。 |
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